ひとりごと その20

家人を起こさぬよう、そっと玄関のドアを開け、外に出る。
8月とはいえ、末ともなってくると、この時間は少しひんやりした空気に包まれる。
午前2時。
今日の目的地は紀伊半島の中央部を南北にはしる、高野龍神スカイライン、
全長約50Kmのロング&ワインディングロードだ。
自宅を出て、また戻るまでの全行程が約400Kmになるので、時間にして、約8時間
。日曜日とはいえ、店は午後から開けなければならない。逆算すると、出発はこの時間になるわけだ。
オートバイにつないだチェーンのロックをはずし、ハンドルロックをはずす。
キーはオンの位置まで回すがエンジンはかけずにそっと家並みのとぎれるあたりまで押していく。フーッとため息をひとつ、ついてからセルボタンに指をのばし、エンジンに目を覚ましてもらう。
ぼくのオートバイはヤマハのTT250レイド。単気筒250CCエンジンを積んだオフロード型の旅仕様車。ツアラーだ。
半端にバイク好きのおじさんから、「にぃちゃんこれ、モトクロスするやっちゃな・・・」
と良く言われる形。モ、モトクロスするわけじゃぁ・・・と思いつつ、めんどくさいから、
「そ、そうです・・・」と何回言ったか。
’97年型だから、新車だ、新車だと思っている間にすでに10年選手。あちこちのパーツにかなり年季が入ってきているのは仕方ないか。

夜の阪神高速、湾岸線は何回走っても飽きない道だ。オレンジ色の照明が視界のずーっと先まで続く景色は、「鉄腕アトム」に出てくる21世紀の街みたいで、旅の序盤のワクワク感を増幅させてくれる。  淀川を越えるあたりのドブの匂いには閉口させられるけど・・・。

ヘルメットは本当は顔の前に邪魔なものがなくて、周りの風景がよく見えるジェットタイプが好きなのだけれど、高速道路では絶対、フルフェイスが快適だ。そこで、仕方なく、バイザー付のオフロードタイプのヘルメットの前面が透明のシールドで密閉できるタイプのものを愛用している。
外部の新鮮な空気を全身で感じたい時はシールドは全開にして、保護メガネをかける。  で、メガネもシールドも絶対、透明のものにこだわってる。木々の緑、海や空の青、雲の白、桜のピンク、紫陽花のうすむらさき、はっきり見えないと、すごくもったいないと思うから。

午前5時頃、今回のハイライトロードの南端、龍神温泉にたどり着く。東の空はうっすらと明るくなりかけてはいるが、路面はまだ、夜のままだ。薄青い光に包まれるまで、少しの間、待つことにしよう。ぼくはタバコは、やらないので、缶コーヒーでも飲みながらボーっとするしかない。
鳥が鳴きだした。そろそろ行くか。

クラッチを握り、チェンジペダルを丁寧にローの位置にコクッと押し込む。
1速は軽く流して、2速、3速と全開でつなぐ。脳みその中に快感物質がじわっと湧き出す感覚。ヘタなアッパー系のドラッグなんかよりよっぽどいいんじゃないかと思ったりする。 エンジンが悲鳴を上げ始めるところで、ギアを4速に送り込む。デジタルの速度計が3桁を示したところで、コーナーが迫ってくる。右手の人差し指と中指の2本で前輪のブレーキレバーをひき、フロントをスッっと沈み込ませつつクラッチレバーを握り、丁寧に回転を合わせたら3速にシフトダウン。、オートバイがバンクし始める。レバーにかけた指はそのまま、前輪に荷重を残しつつカーブの頂点を目指す。出口が見えたら車体を徐々に起こしつつアクセルはカパッと全開だ。

頭の中は次々やって来るコーナーに対応することだけに集中してる。今月の支払いがチョー厳しいことも、客のクレームも、商品の欠品の言い訳もなにもかも、頭の中からは消えている。真っ白だ。

高度を増すにつれ、勾配も急になってくる。5-4-3とシフトダウンしてコーナーに差し掛かる。ありゃ、カーブの途中で失速だ。勾配を読みきれてなかった。あわててもう1段落とす。「へったくそやなぁ・・・」ライディングは奥が深いとつくづく感じる。

龍神と高野の中間地点の護摩壇山に木造のタワーがあり、展望所を兼ねた駐車場になっている。こんな早朝だというのに、ピカピカの大排気量車が何台かすでに集まっている。ご苦労なことだ。 ここから、何本か未舗装路が東西に分岐している。
ぼくのオートバイなら、そっちへ入っていってもまた、楽しいのだけれど、今日は真っ直ぐ高野山を目指そう。

ようやく太陽が勢いを増してきた。針葉樹の木立越しに日の光が路面にモザイク模様を作り出す。オートバイと一緒に自分もモザイクの一部分になりながら走り抜ける。

「もののけ姫」に出てきそうな高野山の杉林は何度訪れても素晴らしい。
バイクを降りて、軽く散歩。森のエネルギーを少しだけ分けてもらおう。

さぁ、あとは大急ぎで帰るだけ。橋本から、富田林、藤井寺を抜けて、うだるような暑さの阪神高速を一路、西へ。
店に帰り着いたら、さっそく、シャッターを内側から勢い良く開ける。
あら、もういつものお客さんが待ってくれてるよ。
「まだまだ暑いなぁ。今日は何?え、ズボン?そろそろ分厚い生地のにしとく?」

ちょっと眠い、ちょっと疲れた。けど、ちょっとスッキリした顔で今日も一日仕事しよう。

ショートトリップ

クルマ大好き2

何を隠そうワタクシ、クルマ変態なのであります。(もう、とっくにバレてるっちゅうねん。)
ある物事に対して、一般の人と比べて、明らかに興奮の度合いがキツイ・・・いうんが
変態の定義かなと思うのでありますが。

二十歳くらいの頃、もし一千万あったら、家なんかより絶対ポルシェ買う!と豪語しとったほどのド変態。

ま、ミニバンなどの実用車は冷蔵庫や洗濯機などといった家電製品と同じようなもんでワタクシの興味の対象外なので、ここは少しでもスポーツを感じさせるクルマの話ね。

で、クルマの何に異常に興奮するんや?と問われれば、やっぱりまずはスタイル。
クルマはセクシーでないとあかんのです!色気!若者コトバで言うところのエロさ。
イタリアのアルファロメオなんかがエログルマの代表やと思うけど、国産車でああいう
デザインにすると、「下品」になってしまうんよね。 違いは何なんやろ?

最近のマツダ車のデザインはちょっとエロいんとちゃうん?と思うのはワタクシだけでは
ないでしょ。無機的なデザインが多い中、頑張って有機的なカタチをなんとか規定の寸法の中に収めようという努力が感じられるもんね。

ワタクシの場合は「カッコイイ」だけでは満足できないカラダになってしまってまして、その中に「カワイサ」をついつい求めてしまうんですよね。フェラーリやランボルギーニがカッコイイのはそりゃ、誰でも認めるけど、可愛くはないもんね。

「カッコカワイイ」・・・・・クラシックのミニも今のニューミニもその分野の優等生ですね。
ランチャのストラトスもカッコイイけど、ちっちゃい所がミョーーに可愛いので好きです。

けど、ま、なんと言っても我が愛車のダイハツ、コペンが「カッコカワイイ」の代表でしょ、
・・・と思ってしまいますね、やはり。
軽という限られた規格の中で、あそこまで完璧に楽しいデザインに仕上げたのは、ほんまに大したもんやと思います。小粋な2シーターのクーペが屋根部分を電動でトランク部分にウィーーンと仕舞い込んで、オープンカーに変身するんですが、クーペの形もオープンの形もどちらにも無理がないんよね。まさにカッコカワイイ・・・(自画自賛・・・あほですね・・・。)

あと、ダッシュボードのデザイン及びメーター類の配置にも激しく興奮しますねぇ。
ちっちゃい頃マツダファミリアのロータリークーペのT型ダッシュボードというものを初めて
見たときのカンドーは今も消えませんものね。ギャランのGTOとか、ホンダのZ、スズキのフロンテクーペとかのもかっこよかったなぁ。要はメーターいっぱい並んでるのに憧れがあったんですよね。
今は各部が電子制御されてしまって、メーターあんまり必要ないのか、素っ気ないのが
多いのがちょっと残念ですね。

それから、エンジンの回転の上がり方。ちびるほど興奮しちゃいます。
バイクの2ストエンジンみたいな途中からドッカーンとトルクが盛り上がるのがけっこう好きやったりするけど、さすがにそういう味付けはもう時代遅れみたいですね。
そんなにいろんなクルマに乗ったことがあるわけじゃないけど、少ない経験の中から言うとスズキのアルトワークスの初期型のエンジンの回り方はすごいと思った。ちょっとキレた感じの回転上昇の仕方です。初めて乗った時ははっきりいってビビリました。

官能的って良く雑誌なんかに書かれてるけど、そんなフィーリングのエンジン、一回乗ってみたいもんですわ。

各種パーツ類も興奮の対象になっちゃいますね。アルミを削り出して作ったようなパーツを使ってるのが目に入ると、もう、ほんまにワクワクしますねぇ。そのにぶく光る表面の感触を撫で回してヒッヒッヒッ・・・みたいな衝動にかられます。末期症状ですね。
でも、自分のクルマにそんなパーツは使えませんね。主に経済的な理由からですが・・・。くやしい・・・・

今、仕事&家庭用にはトヨタのシエンタっていう1500CCのミニミニバンを使ってるのですが、運搬具、または快適移動手段としては、一切、なんにも、いや全く、ほんとに全然
不満なんかありません。静かやし、スピードにのってからはそこそこ速いし、なんといっても便利やし。・・・・・・けどねぇ・・・・けどゼーンゼン面白くはないのんよねこれが。

こんなんで、「自分はクルマを運転できる」とか、「クルマを操るって簡単やん」と思い込んでしまっているそこのワカモノたちよ!違うねん!ほんまに違うねんで!もっと楽しくて、奥の深ーーいものなのよドライブって。

趣味グルマのコペンは全然、実用性はないけど、とにかく楽しいねんなこれが。
現実レベルの速度域で十分速いし、ハンドル切った時のクルマの動き方がキビキビしてる。満開の桜の下を屋根開けて走ったりしたら、そら、ええもんでっせ。エンジンの回転上昇のフィーリングだけがイマイチかな。けど、全然OKの範囲内!
ちっちゃいクルマを思いっきり振り回して、クルマの持ってる能力を出し切って、操ることの面白さをしっかり教えてくれます。

コペンに10年乗ったらその後ちょっと乗って見たいのがマツダのロードスターのRHT。電動でハードトップが開くヤツね。それに10年乗ったら最後は憧れのロータス!こいつは「エロカワイサ」爆発!しかも走りは超一級品!オープンにできるエリーゼちゃんがええなぁ。

その頃ワタクシ70歳なのですが・・・。そうとう元気なじじぃやなぁ。

ひとりごと4ページ目

ひとりごと その25

夫婦円満の秘訣

ひとりごと その24

びっぐじん店長式夫婦円満の秘訣を大公開!

相方に言いにくいことはワンコに向かって言う。
「なぁ、こうめ、・・・(・この後ちょっと不満のことば)・・・」

「ハクシュンッ!」とくしゃみをした時はたとえ忙しい仕事の最中でも手を止めて
笑顔で拍手する。

熱いものに触れて、「アチッ」と言ったら、すかさず「どっち?」

当然、「あ痛っ!」の時は「誰に?」とタイミングよくですね。

狭いキッチンなどで、すれちがう場合など、どうしても体が触れ合ってしまう時は
「ネーチャン、ええケツしとうやねぇ・・・」とできるだけヤラシク言いながら、お尻
など、さわりつつかわす。

相方が内緒にしようとしている事にもし、気が付いてしまっても、そんな事には
一切、気が付かない鈍感なフリをする。

相方が自分の身内の悪口を言って、もし、同感であっても、絶対口に出さない。

ほめる。

服従してるフリをする。

ハナシには肯定的な相槌を。「ほんまやなぁ、そうやなぁ・・・」

小さい事にでもいちいち「ありがとう」は言う。

結局、どんな事があっても、ふたりで解決していかんとしょうがないんやな・・・
とあきらめに似た決意をする。

くだらぬハナシに長々と・・・・・ご静聴ありがとうございました!・・・・です。

完全に冷め切ってしまっている、そこのあなたっ!「フンッ!」と鼻で笑い飛ばしつつ、このページを閉じましょう・・・さよーなら。

なにを隠そう、ワタクシ「痛風持ち」なのであります。

痛風(つうふう)いうんは血中の尿酸いうもんの代謝がヘタクソな人間がなるんですが、痛みやその他の自覚症状は普段は全くないので、ついつい放っておいてしまいがちなのですが、腎臓がやられるまで放っとくとちょっとヤバイ病気です。

10何年か前、初めて発作(痛みがでる事を発作と言う)が起きた時の事。
右足の親指の関節が或る日突然、猛烈に痛み出したので、ありゃりゃ、骨折でもしたんやろか?・・・なんぼ鈍感でも、骨、折るほどの怪我したら、その場で気が付くやろ・・・。

けど、ほんま、そんなひどい痛みですわ。
よく、風が吹いても痛い(この病名の由来)と言われますが、ぼくの場合は1枚のA4のメモ用紙がハラリと足の上に落ちてきて、あまりの痛さで悶絶しましたもんね。

ピークの時は唸らずにはおれんので、、「ちょっと、うなってくるわ・・・。」言うて店抜けさせてもらって小一時間ひたすら唸ってました。

当然、靴、履けません。サンダルをなんとかつっかけて、ケンケン状態で一生懸命、仕事やってましたわ。初めての時、行った外科では鎮痛剤もくれんかったんで、そんな状態が2ヶ月ぐらい続いたもんね。(ほっとかんとしょうがないんやと思ってた。)
野蛮でしょ。今では鎮痛剤でだいぶ上手に痛みをコントロールできるようになりましたが・・・。

ありゃりゃ、また前置きが長くなってしまいました。

そういうイターイ目にあった僕はそれまで、見向きもせんかった「健康食品」と呼ばれる
モノにいろいろと手を出すようになったのですが・・・。
とにかく、どれも高い!高すぎる!毎日続けんとあかんのに、そんな大金払えるかぁ!
・・・・・というんが正直なところでした。

そんでもって、習慣として定着したのが「酢」!ですわ。
ちっちゃい頃に水と間違えてコップに入った酢をイッキ飲みした経験がトラウマになったのか、ずーっと酢は嫌いやったんやけどね。

酢も初心者の頃は調子に乗って、タッカーイのんを買ったりしたけど、やっぱり無理したらあきませんね。続きません。スーパーで普通に売ってる純玄米黒酢あたりが一番コストパフォーマンスが優れとるんやないかと思います。切れそうになったら、いつでも補充できるしね。

で、一番ハマッてた頃は、なべ物の付け汁、お好み焼き、ラーメン、味噌汁、素麺つゆ、
など、とにかくあらゆる物に酢を入れて、ヨメサンのひんしゅく買うとりました。
けど、慣れるとけっこう美味いんよね、これが。
カレーに、できあがってから酢、かけるんは気持ち悪いかもしれんけど、ルーを作る時に隠し味でいれるんは、お薦めです。ほんまに美味しいよ。トマトたっぷり使った時に似た味がします。口当たりもさっぱりして、あとくちもええ感じ。

最近は食塩無添加の野菜ジュースのペットボトルに適量の酢を混ぜたものを作り置きしておいて、仕事の合間にちょいと一杯・・・という感じが定着してます。だいたい900mlを2日で飲んでます。美味しいし、安くあがるから、僕でもなんとか続いてます。

痛風の発作の頻度も下がったように思いますが、一番効果があると思うのは、「筋肉痛」。目に見えて回復力が違います。同じ効果やと思うけど、それまでしょっちゅうやってた寝違えをせんようになりましたね。これ、けっこううれしいです。
ま、乳酸の代謝がどうのこうの・・・という能書きはここでは省略!

あとは、うちのお客さんなどが、次々と脳梗塞などの血管切れたり、詰まったりの病気で倒れるのを見て、高血圧の僕はビビリまくり、血栓溶解作用があるといわれてる、ナットウキナーゼのサプリ、それに、潰瘍の原因といわれてるピロリ菌をやっつけてくれるらしい、LG21のヨーグルトがレギュラーで定着いたしました。

サプリもやり始めると、飲まんとあかんみたいな強迫観念に囚われるのがいかんね。
飲むのに忙しすぎて「ワシの平和な時間を返せ!」みたいな感じになってしまうもんね。
要は、腹八分目、適度な運動、塩分控えめに尽きるんやろうけど、これが一番難しいんやから、しょうがないんですよね。

元気で酢!

ひとりごと その23

ひとりごと その22

コシパンってどうよ?

コシパン・・・・言うてもこしあんのあんパンとちゃうんよ。
ま、漢字で書いたら腰パン(腰PAN)やね。
下着の方のパンツのゴムが見えるくらいズボンをだらしなーーくずらして穿く
あのスタイルですわ。

ワタクシ、長ーーーい間、「ケツパン」やと思い込んでおりました。
若い男の子の作業ズボンの長さをとる時に、彼らだいたい、ずらしぎみに穿くんですよ。
そしたら、標準よりえらい短い寸法が出てしまうもんやから、思わず
「ケツパンではくんやんね?」すると男の子が「ん?・・・」っていう反応なんですよね。
ハナシの通じんやっちゃなぁ、若いのに・・・といぶかるワタクシ・・・。

ケツパンてなんやねん?!


最近になって、コシパンという言葉を覚えてからは彼らとのコミュニケーションもだいぶ
スムーズになりましたね。
「お、コシパンで穿くん?」
「え、うん・・・・」
「だいぶ、短い目になるけど、ええのん?」
「あ、うん・・・」
「その穿き方で親方に怒られへんのん?」
「・・・・・・・・・・・・」
「もうちょっとだけ、あげてみ・・・・そのくらいの方がええんとちゃうか?」
「・・・・・・・・・・・・」
「やっぱり、それくらいでいこ!その方が仕事できそうに見えるで」
「あ、・・・・はい・・・・」


同じコシパンでも、ミョーーーーにかっこいいい子とただ単にだらしないだけの子がおるんよね。たぶん、ビミョーな穿きこなしのセンスの問題・・・または悲しいかなスタイルの問題か。

良く似たモンですが、若い女の子のローライズ!
これはええね。え、なんで?って・・・知ってるくせに。そこのあなた!
ついつい、目がいっちゃいますよね!ね!ね!
おばちゃんがローライズまたはチビT着た時は前屈姿勢は禁物ですよね・・・・
なんで?って・・・ね!ね!そりゃ、そうでしょ。


ちなみに、適齢期の娘さんをもつ同業のおじちゃん、コシパンの若い男の子を見て、
ひとこと・・・・・
「あんなかっこでうちの娘、ください言うてきたら、即、追い返しちゃるわい!」

年代によって、感じ方はさまざまなようですね・・・。

ショートトリップ2

ひとりごと その21

旧い友人との会話

「お、クルマ買ったんや?」

「おお、男の5年ローンよ」

「コパンゆうねんな、コレ」

「コペン!ダイハツのコペン。コパンはトースト風味のお菓子!KのOPENやから
コペン!」

「よう、そんな金あるなぁ。俺には絶対無理やわ。」

「要は自分の生活の中で何に価値を置くかの問題やと思うで。そのかわり、ワシ
酒もタバコもゴルフもパチンコもなぁーんもせんもん。」

「けど、おまえの性格からして、屋根開けて走るん、無理やろ?」

「うん、最初は無理っぽかったけど、だぁーーれもワシのコトなんか興味持って見てへんて気が付いてから、あんまりなんとも思わんようになったわ。けど、今でも街中では
無理やな。恥ずかしすぎ!」

「ええかぁ?」

「あぁ、めっちゃええで。夜に屋根開けて走ったら月や星が見えるねん。」

「ふーん・・・」

「木の香りとか花の香りとか、雨の匂いとかよう分かるで。排気ガスやどぶ川
の匂いもするけどな。」

「ふーん・・・」

「空気に温い塊と冷たい塊が同じ場所にあるんも分かるで」

「それで?」

「え、それで?って・・・・・それだけやけど・・・・」



ぼくは、また夜中に起き出して小さな旅に出た。
今回の目的地は三重県の青山高原。尾根の上に20以上の風力発電の風車
が林立する風の丘。ガイドブックで見つけて、どうしてもその景色を見てみたく
なってしまった。

阪神高速はわざわざ遠回りして、湾岸線を走って、夜景を満喫。何回走っても緊張する環状線に入る。
松原JCTから夜中の名阪国道を淡々と走る。
こういう時のBGMは中島みゆきの「夜を往け」がバッチリなんよね。

針とかいう痛そうな所を過ぎ、月ヶ瀬とゆうロマンチックな所に差し掛かった頃、ふと、
上を見上げると、オリオンが正面に輝いてる。夜中なら8月でもオリオンが見えるん
やなぁと妙に感心しながら東を目指す。

上野東ICで降りたらあとは一般道をちょっと走る。
夜中の山道は屋根開けて走ってるとコワイんよねー。バックミラーは真っ暗で
何も映ってないのがよけいに怖くて絶対見られへん。ヘッドライトに照らされて
突然視界に蛾や色んな虫が飛び込んで来るのにもいちいちビックリする。

道端に停めて、ライト全部消して、空を見上げると気持ち悪いくらい一面の星空
で、感動モノなんやけど、なんせ怖いもんやから、10秒もようジッとしとられんのよね。  屋根を閉めたい衝動をなんとか抑えつつ先へ進む。
カーブを曲がったら誰かがこっちを見つめてる。
「ん?誰?」って良く見たら鹿やった。それから、カーブを曲がる度に頻繁に鹿ちゃんたちに出くわした。  まったく危ない連中やで。飛び出して来たらあかんのんよ。

そうやって迎えた風車の高原の夜明け。伊勢湾の向こうに朝日が昇る。
眠いのに一生懸命走って来てよかったぁー。

さて、大急ぎで帰って、仕事しよ!





「それで?」

「それだけのことやなぁ・・・・・。」