思えば始まりは2年ほど前の夕食時でしたね。
「あんたぁ、三田に疎開しとったなぁ?」と母がぼくに言った。
「疎開て、なんやねんそれ?誰のはなしや」とぼくは言った。
言いながら恐怖と不安が入り混じったなんともいえん気持ちになった。
とうとう始まったな、とその時覚悟したものの、その後1年くらいは
そういったおかしな話はほとんど出なかったので、ぼくもあれは
「ただの勘違い」と思おうとしてた。
去年の春ごろ母は胃潰瘍をこじらせて体調を崩し、毎朝の日課にしてた
こうめの散歩にも行けなくなり、一日中テレビを見て寝転んでる生活
になった。
体が弱ると足が弱る、転んであちこちぶつけてまた寝込む、また弱る・・・
の悪循環ですね。
で、体が弱ると頭の弱り方も加速度的に進むもんですね。
もう最近はまともなこと言ってるときの方が少ない感じです。
始めのうちはね、ぼくも慣れてないですからね、最初のときに感じた
恐怖と不安の入り混じった感覚が強くてどうにもやりきれん感じだった
んです。
でもなんでも慣れるもんですね、それが普通になると、
「ま、ええか、今元気やったらそれでええか・・・」という気持ちに
なるもんですわ。
ぼけてる母親に恐怖や違和感じゃなく愛嬌を感じることも少しはできるように
なった気がしています。
学校、恋愛、仕事、結婚、子育て、子供の受験、自分の病気・・・
そして老親の介護・・・。
生きてるといろんな練習問題が次々に出題されますねぇ。
自分が死ぬ時までいろんな問題を解き続けんとあかんのでしょうね。
そのとき、そのときの問題の只中にいるときはほんとに辛いけど、
終わってみると、必ずなんかが残ってる。
わかってるけど、やっぱりその只中は辛いです。
いつものように弱音吐きまくろうと思っています。
不思議なものでこういうときは自分が楽しみたいという欲は自然に
抑えられて、ストレスにはならんようです。
よかった、よかった。
・・・とか言って適当に息抜きもしてますけどね。
ま、まだ始まったばっかり。
肩の力抜いてがんばろ。
立場的に「おじいちゃん」になったり、身体的にあちこちガタがくるように
はなったけど、精神的にはぜ〜んぜん老けてない!
・・・と思い込んでたワタクシ。
好奇心は相変わらず旺盛だし、最新の音楽やお笑いだってけっこう楽しんでる
し、流行りコトバもすぐ使いたがるし・・・。
相変わらず人見知りするし(こら関係ないか)
でもね、最近ちょっと自覚したんですよね。
朝、暗いうちから起きだしてクルマやバイクで出かけること。
長いことやってないなぁ〜って。
好きで好きでたまらんことやから平気でできた・・・というかすすんで
やってたことなのにね。
そんな時間があったら寝てたいの。
疲れてる感じ。
あかんわぁ〜〜。
そういう貴重な時間を遊びに使うか睡眠に使うかはまるっきり自分の自由
なんで、その自由を味わえるのはうれしいんですけどね。
寝る方を選んでしまうんですよね〜。
飽きたのかな?
とうとう心も老いたかな?
先日、小さい荷物専門の軽四で回ってるサガワの女の子が
「帽子わすれた〜」と言ってうちの店で帽子を買ってくれた。
そういえばこの子、キャップがトレードマークみたいにいつも
かぶってる。
自分でも猫を飼ってる大の動物好きでこうめに会いにくるのを
いつも楽しみにしてくれてます。
「おじょ〜さぁ〜〜ん」てこうめを呼んでヨシヨシしてくれる
のですが、いつもこうめが愛想なく、そそくさと寝床に帰ってし
まうので、こっちが申し訳ない気持ちになってしまいます。
(なんせ食いものだけのオンナなもんで)
支払いが済んでその子が
「うちの○○さんいうおっちゃんもよくここで買い物してるらしいです」
と言うので、誰のことかよくわからないまま
ぼくは「あ、ほんまぁ」って曖昧にごまかしてたら
「俺あの店が好きやねん、言うてました」
と教えてくれた。
なんかそれがすごいうれしくてね。
「ここ安いなぁ〜!」いう褒め言葉もたまに頂けるんですが、
ひねくれモンのぼくはあんまりうれしくないんですよね。
実際そんなに安いわけじゃないし・・・
値段で勝負してるつもりがないもんで。
目指してるのは正にそういう店なんよなぁ〜、と
改めて思いました。
全然努力足りてへんけどね。
そう言ってくれたサガワの人もいまだに誰かわからん、
という恩知らずなぼくですし・・・。
みんなに好きになってもらえるように
がんばろ!
新品の靴を眺めたりなでまわしたりするのが好きなのと同じくらい新品のタイヤも
眺めたり撫でまわしたり更には匂いを嗅いだりするのも好きなワタクシ。
こういうのを「フェチ」というのでしょうか。
この4月に3回目の車検を迎えたうちのコペンちゃんなんですが、
ぼくはいつも車検が来る度に前の2本のタイヤを新品に替えて前に付いてた2本を
後ろに使う(後ろに付いてた2本は廃棄)という作戦でいきます。
これだと一度に4本替えるという痛い出費が抑えられるし、FF車にとって
大事な前輪はいつも新品って感じなのでお気に入りの方法なんですよ。
そもそもコペンに純正で初めから付いてきてたタイヤが
ブリジストンのRE-040というちょっとスポーティーなヤツなんですね。
サイズは165-50の15インチ。
ぼくらレベルのヘタレドライバーにはこれでも十分以上のタイヤ
だったわけですが、この品番が廃番になったらしく2年前の車検時に前の
2本についてきたタイヤが同じポテンザでも更にサーキット寄りの
RE-11というヤツ。
パターンからしてちょっとイカついし、めっちゃグリップええのよね。
すぐに気に入りまして迎えた今年の車検。
いつものように2年履いた前の2本を後ろに入れ替え、新品の2本を
前へ入れて、とリクエストしてました。
そしたらまたまた今度はRE-11が廃番になってまして、付いてきたタイヤ
が更に更にサーキット寄りの、というかセミレーシングっぽい感じの
RE-11Aっていうヤツ。
試しにちょこちょことあちこち曲がりくねった道を求めて走りに行ってる
わけですが、結論!
「ええわぁ〜〜」
元々公道でアンダーが出るほど攻めた走りなんかようせんワタクシですが、
ぼくらレベルの速度域やったら、フロントが逃げる「気配」すらないですわ。
・・・というかそもそもタイヤが鳴かん。
鳴くとこまで持ち込めん。
進化しとるよなぁ〜〜。
グリップすごすぎてブレーキ思いっきり踏んだらつんのめって前にでんぐり返し
するんちゃうか、思うほどですわ。
でもさすがに減り方も早い!
がんばって走ったあとで見たらショルダー部分がヤスリかけたみたいに
ささくれだってます。
ま、どっちみち年間3千キロも走らんから全然ええんですけどね。
昔バイクで崖登ったり、岩越えたりする遊び(トライアル)にはまってた頃
リアタイヤ用にラジアルタイヤが発売されまして、コンパウンドも研究されてて
目からうろこのグリップでして、一瞬自分が上手になったんちゃうか?と思った
ことがありました。
ロードバイクにセミレーシングタイヤ履かせたら嘘みたいに寝かし込めるように
なって、その時も目からうろこ。
逆にオンロードツーリング用にパンパンに空気圧高めたトレールタイヤのまま四国の
剣山スーパー林道に寄り道したら超巨体のBMW1200GSにぶち抜かれた苦い思い出
もあるなぁ。(あ、ウデの問題かもね)
空気圧の管理も大事。
今は燃費、燃費でエコタイヤが主流になってるようですが、パンパンに空気圧高めても
そこそこソフトな乗り心地でグリップもいいらしいですよ。
燃費なんか2ケタ%も変わってくるみたいやし、地味に進化しとるわけですね。
ほんと、タイヤって大事。
ぼくら素人でもわかるくらいに変わってますわ